13年6月吉日。
三浦雄一郎氏が80歳でエベレストの登頂を果たされたことはオメデタイの一言である。巨人である。 山登りを少しだけ趣味とする者にとって、同世代の一人として拍手喝采を送りたい。 ただし、常識人として多少の違和感は禁じ得ない。 もう随分前のことだが、身障者が富士山にのぼった記事を読んだことがある。なんとボランテイアの人たち十数人が交代で担いで登ったのである。当人の談話は至極満足気であった。ちょっとどうかと思った。 知人でマッターホルンに登った人がいた。概ね、ウン十万を支払い、ザイレン(ガイドに紐で体を括り付けて支えてもらうこと)してもらって登るという。ちょっとどうかと思った。 先日から週刊文春で三浦雄一郎氏の1億5千万円もかけた登山の詳細が報じられた。 「三浦雄一郎80歳エベレスト登頂は本当に快挙なのか?」という記事。 この偉業は皆様のNHK(国民の税金)ほか沢山のスポンサーを集め、お金をたくさん使ったからできたことだと文春は書いている。なるほど。 このプロゼクトはアタック隊が2名、アタックのサポートが2名、ベースキャンプのサポートメンバーが3名、コックが5名を含むシェルパが18人の大部隊。専属の医師団。 シェルパやサポートの人たちはエベレストに10回以上も登っているベテランばかり。最強のサポート軍団といえる。 さらにベースキャンプまでの荷揚げに数百人のポーターが雇われた・・・という。 帰りは疲労困憊して、5千mからヘリコプターをチャーターしてご帰還遊ばした。 三浦隊が使った登山費用は1億5000万円。 これは大名行列みたいなものだ。ちょっとどうか・・・と思う。 一方、亡くなった河野千鶴子さん。河野さんは66歳でヒマラヤのダウラギリに登頂したが、疲労で体が動かなくなり遭難。 シェルパ二人だけを雇い、200万円の予算で登頂したという。 今回は天候の関係で取りやめたという現地、81歳の男性はネパール人なので入山料は無論タダ、友人1人を連れて登る予定だったそうな。 十数年前、こちらは当然徒歩で5483mのゴーキョピーク(ヒマラヤの10kほど手前)に登ったが、3千mのルクラ空港から片道6日ほどかけて、全部、手前の足で登ったのだ。費用は40万円ほどだったろか? 三浦氏は自称冒険家と標榜している。家業だというが,稼業登山と云えないか。 1億5千万円かけてなんぼ収入があったのだろう。 小生は現地でヒマラヤの上を飛ぶツアーにも参加したが、この方がよほどまし化もしれない。 ☜疲れ果てた三浦氏 糖尿病、狭心症、不整脈等の持病があるという。50~60代はメタボだったそうな。不健康な御仁であることは間違いない。メタボな元相撲取り、野球選手など案外長生きしない。 少なくとも小生よりは不健康である。 足に10kもつけて歩くなど、単にマスコミ受けの行動としか言いようが無い。 自分の足で歩いて登るのが登山だと思う。 三浦氏は籠で富士山に登った身障者をどう思うのだろうか? 籠で登ったこと自体をどう評価するだろうか? この人は親父さん(プロスキーヤー99歳で死去)ほど長生きはしないだろう。 人間無理しないことも大切なことだ。
by nandemo29
| 2013-06-27 14:56
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