16年8月1日。
今年の三島由紀夫賞が話題になった。受賞記者会見での迷惑発言、バカな質問はするな!
80歳の人間にこんな賞は日本の文学界にとって嘆かわしい!などなど。
すぐ図書館に申し込みやっと手元に落手した。
何といっても払文学者でトーダイの先生を勤め上げ、まとそのトップのソウチョウとかまで上り詰めたおひとである。小説の文脈からするとこの先生は貴族の出かも?
それともボーバリー夫人にぞっこんだったのだろうか。
身分が違いすぎるが・・・年が一つ違いということだけでチョトだけ親近感がある
なにしろ29.200日余りこの世に生を受けたこととだけは間違いないのだから。
いつものようにすらすらと読んでいった。
でも第1小節読んだところで・・・ハタと止まった。
まったくわからなかった。
ハテ何だったローと頭をひねった。
なんにも理解ができていない
。
80歳のおっさんにはトーダイの先生が書くエロ小説などわかりようがないのか?
いや~そんなことはない。
ノートに登場人物の相関関係を作っていった。
この小説は入れ子形式になっている。
著者は壮大な入れ物を作り重ね重ね・・・しかもマトリョーシカみたいに丸い入れ物だけではない。三角、四角、丸・・・・。いろんな箱を見事に入れ込んでいく。
読み終わってみればいかにに周到に構築されたかがわかり文学作品の完成度には頭が下がる。
どこまでが事実か、現実か、創造か,想像か、夢か、幻か、戯言か。それとも茶化されているのかわからない。それが大方は「ぶへ~」を代表とする性的な表現で進められていく。
スケベな爺さんにとってはたまらん!!!ノダ。
エンターテイメンターとしての入れ子の豊富さに驚かされる。
まあど文面がれくらいすごいか・・・。
二朗の祖父(もと子爵、伯爵夫人を愛人として自宅に囲っている)が伯爵夫人に3人の恰幅のいい男とセックスを命ずる場面・・・・
「およそ1尺3寸もあろうかと見えた黒ん坊の勃起した赤い亀頭がすっぽり股間に滑り込んだときは、かくごしたいたみの無さに驚き、まるで民族的な儀式のように根元まで律儀に食い込ませてはゆっくり抜いたりするリズムに合わせて腰をゆらせ始める自分に驚きながら最後に嬌声まで上げて恥じることなかった。」・・・・
性的な言葉は遠慮なく出てくる。男根、膣、大陰唇、小殷賑、陰核、襞etc
哈爾濱における伯爵夫人と高麗上等兵の挿話は面白い。
最も・・・一口で言えばこの小説は12月8日大戦が勃発した前夜から翌朝までのストーリイである。
主人公の二朗(帝国大学を目指している浪人18歳)が聖林の映画を見て帰りに伯爵夫人(高級娼婦。二朗の家に同居してる。祖父の愛人?)に逢う。憲兵に誰何されぬように木の陰で抱擁する。そのときerektし,射精してしまう。汚れたパンツの始末を帝国ホテルらしきところでする。そして朝帰る。・・・・まあ言ってみればこれだけの物語である。
これに入れ子がいくつも入ってくる。
地名、場面も沢山出てくる。聖林、倫敦、柔払、孟買、巴拉加、哈爾濱など。
歯舞色丹を読めない・・・どころではないのだ。
結末は圧巻である。主人公の出自は「暗夜行路」か?
作者は作品は向こうからやって来た!と会見ではのたもうた。
またその機会が来れば書くかもしれない・・とのことであった。
誰が何といってもエロ本であることには間違いはない。ただ東大総長がかいたエロ本だからなお面白いのだ。渡辺純一センセーも恰幅絶叫かも!
三島由紀夫賞は登竜門といわれる。またぜひ書いてもらいたいものだ。
追記。
小生が学生のころ「太陽の季節」というのが芥川賞をもらって一世を風靡したお人がいた。湘南族なんて言葉もはやった。作者は旧東京高商生(近代経済)で同年であった。あとで都知事などをしたとか。
東京はナンパな学生ばかり・・という印象が強かった。
当時県立高校の年間授業料6千円。新制国立大学の授業料も6千円だった。
奨学資金とアルバイトでやっと糊口をしのいだ田舎の学生たちはもっぱらマルクス経済学ばかり=マルクス・エンゲルスであった。
共産党宣言・資本論。それにプロレタリア文学。反戦文学が主だった。小林多喜二や徳永直や武田泰淳。それにトルストイ、ゴーリキー、ロマン・ローランなど。
1)20歳のころ集団で湘南海岸でナンパしたことを書いて芥川賞をもらった人。
2)80過ぎてもはやいんぽの人(障子に突き刺す能わず)。もと貴族ご出身のお方が60数年前に洋画をみて帝国ホテルによって猿股を変えてもらいちんぽのていれまでしてもらって、人力車で朝帰りしたことを書いて三島由紀夫賞。
これドーユーコト
これ日本の文学界にとってなげかわしいことかドーカ。